過去編その2
シエラ「あーやっぱ家で食う飯はうめーな。」
ケベック「ここは詰め所、牢獄だ!!家みたいにくつろぐな!
まったく、いつまでそんな暮らしをしているつもりだ?」
シエラ「金稼いで身を立ててんだからいいじゃねえかよ。」
ケベック「盗賊を仕事のように言うな!」
ケベック「なあシエラ。いい加減まっとうな仕事を見つけろ。
真面目に働いて幸せを手に入れるんだ。」
シエラ「真面目に働いて、幸せになんかなれるかよ。」
ケベック「誰も真面目に働かなくなったらフォールアウトの世界になるんだぞ?
盗みで身を立てることだってできなくなるんだ。何故それがわからん?」
シエラ「知ってるかいアニキ?こないだ盗みに入った農場なんかよ、
男は戦争でしょっぴかれ、女は山賊にさらわれ、じじいは吸血鬼に食われた。
最後はドラゴンに畑を焼かれておしまいさ。
今のスカイリムで普通に生きてて幸せになるなんて話こそおとぎ話だろ。」
ケベック「それでも少なくとも牢獄暮らしよりマシだ!
オレは事実、こうして衛兵になれてまっとうな暮らしを手に入れた。
お前にだってできるはずだ。」
シエラ「そんなことよりアニキ、帝都へ行こうぜ。一緒によ。
衛兵なんかつまんねえ仕事やめてさ、一旗揚げようぜ!
アニキと一緒ならなんでもできるさ!」
ケベック「・・・なんだ急に。」
ケベック「都会に出れば幸せになれるなんて幻想は捨てろ!
どこへ行っても楽な人生なんかないんだぞ?」
シエラ「出会いがあるだろ。帝都なんか美人が一杯いるぜ?
アニキだっていい女見つけて結婚できるかもしれねーじゃん。
幸せ幸せ言うなら彼女の一人も作ってこいって話だろ。」
ケベック「だ、だからそういう勝手な期待がだな・・・!」
シエラ「いまだに女と手つないだこともねーだろー?
リマとか誘えよ。あいつおっぱいでけーからな。ああいうの好きだろ?
なんならオレが手ほどきしてやろーか?安くしとくぜアニキ!」
ケベック「ば、ば、ば、何を言う、そ、そうだ鶏小屋の確認を忘れていた!!
急いで見てこなければ!!!ああ大変だ大変だ!!」
シエラ「あ、おい!」
シエラ「・・・ったく、いいじゃんかよどうせ血なんかつながってねんだし。
オレだって女子だぜ。傷つくわー。」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
シエラ「しかしここも変わんねえな。」
シエラ「ん?」
男「んで、今度の”仕事”はどうすんだ?」
リマ「ああ、そうだな・・・まあ、やるよ。」
男「よし、じゃあいつもの場所で待ってるぞ。」
シエラ「ようリマ、何の話してたんだよ?」
リマ「シエラか。聞いてたのか?」
シエラ「ああ、ちらっと聞こえたぜ。”仕事”がどうとか・・・
こんな門外でこそこそしてるなんて、衛兵隊が秘密の副業か?」
リマ「なんだ?お前に説教される覚えはないぞ。」
シエラ「あー、いや、そういうんじゃなくてさ・・・
なんか、稼ぎになんのかなーって。
衛兵隊のお仕事だろ?なんか、まっとうな話ってやつ?」
リマ「ん・・・?
ああ、なるほど。そういうことか。」
シエラ「なんだよ?」
リマ「お義兄様にお説教されて少しは改めようってんだろ。
かわいいじゃないか、昨晩は仲良く過ごしたのか?」
シエラ「ば、バカ言うんじゃねえよ!
単に楽に稼げそうなら聞いてみたいなって思っただけだよ!
最近はどこも物騒だからよーっ!」
リマ「フッ、いいぜ、連れてってやってもいい。
だが、お義兄様には内緒だぞ。あいつは頭が固いからな。」
シエラ「なんだ、やっぱりまっとうなお仕事じゃあないのか?」
リマ「いいや、まっとうさ。ただしファルクリース流のな。
んで、やるのか?やるならすぐ行くぞ。」
シエラ「なんだかよくわかんねーけど、いいよやるよ。行こうぜ。」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
山賊オスカー「おう、リマ、来たか。」
シエラ「うわあ・・・なんだこりゃ。」
山賊オスカー「リマ、そいつは誰だ?」
山賊「仲間か?」
リマ「オレの手伝いさ。
大丈夫だ、山賊が心配するような相手じゃない。」
シエラ「お仕事って・・・山賊の手伝いかよ!?
死体の山じゃねえか。これみんなあんたらがやったのか?」
オスカー「バカ言うな、こんなのを相手にするほどオレ達も暇じゃない。
やったのはドバキンさ。」
山賊「しかし全員氷漬けとはな。あいつやることがどんどんえげつなくなってるぜ。」
シエラ「ドバキンって、あのドラゴンをぶっ殺しまくってるヤツか?」
リマ「そう、そのドバキンは各地を巡っては洞窟や砦をたった一人で
制圧して回ってるのさ。
これはそのドバキンが三日前に荒らした洞窟なのさ。」
シエラ「え?つまりこれ全部ドバキンが一人でやったってのか?
マジかよ・・・
でもそれじゃあ何も残ってないんじゃあねえのか?」
リマ「フッ、そこが素人考えなのさ。」
リマ「考えてもみろ。
ヤツがいくら超人だからって一人で全部の荷物を持てると思うか?
欲しいものだけ奪って、あとは放っておく。
それだけじゃない、逆にいらないものを捨てていくのさ。」
山賊「それをオレ達が”回収”するってわけさ。
敵は全部ドバキンが殺しているからな。
数日は絶対安全にお宝漁りができるってわけさ。」
シエラ「はー!?なんだそりゃ。それじゃただのハイエナじゃねえか!
あんたら山賊じゃねえのか?やることがセコくねー?」
オスカー「カッカッカッ!知恵と言え知恵と!
子供にゃわかるめえがよ、これが戦わずして勝つっつう大人の知恵よ。」
シエラ「はあ、まさかこんな”お仕事”とはね・・・。
リマ、あんたはアニキと一緒で真面目なタイプと思ってたぜ。」
リマ「フッ、だから言ったろ?これがファルクリース流だって。
こいつらは首長が稼ぎの上納金を収めさせるかわりに好きにさせてる、
汚れ仕事や裏仕事も請け負う雇われ山賊なのさ。オレはその仲介役だ。
ドバキンが荒らし回ったあとを片付けていくのも、治安活動や公共事業の一環てことだ。
ま、ケベックなんかは知らないことだがな。」
シエラ「やれやれだぜ。あの首長のやりそうなこった・・・。」
リマ「さ、お仕事に励んできな。金目になりそうなものの値打ちは知ってるだろ?
”まっとう”な稼ぎでお義兄様に飯でもおごってやんな。」
シエラ「へいへい、じゃあオレは向こうを探すぜ。」
シエラ「・・・はあ、こりゃアニキに知られたらまたドヤされそうだぜ。」
シエラ「ん?あれは・・・」
シエラ「・・・人・・・か?」
シエラ「これは・・・」
シエラ「女?」
シエラ「女だ。人間の女の・・・死体か?
なんでこんなファルメルの巣に・・・?」
つづく
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
今回のロケ地 フロストフロウ灯台
久々に見たけどデカシャウラスキモかったww
氷のファルメルID 0201511f、02015127
コメント
コメント一覧 (4)
たまに出る屋外シャウラス怖いですよね~
他の世界線でも勇者様ご一行のあとには、こういった連中が濃っ措置続いているのかも?w
二日間はリスポーンしませんからねー。乱取りやゾンビ処理業者じゃないですけど、スカベンジャー部隊や輜重隊を付随させている勇者ギルドがいてもおかしくないでしょうね